- 転職って何から準備したらいいんだろう?
- 転職しても成功するか分からない
- 今の会社を辞めるためには?
今の会社に定年までいないと考えていても「転職って何から始めればいいの?」と、最初の一歩で挫折してしまい結局やらなくなるケースは多いです。
この本の著者である北野唯我さんは2010年に神戸大学経営学部を卒業。その後は博報堂で勤務されています。
主な著書に「このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法」のほかに「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ」などがあります。
そこでこの記事では、これから転職を始めたい!と思っている人が転職失敗しないための考え方を書籍「転職の思考法」から解説していきます。
この記事では転職を通じキャリア形成していくために必要な思考法が分かります。
この書籍を読むことで「いつでも誰でも転職できる」「会社に頼らず自分の力で生きていける」状態にすることができます。
【要約】大切なのは自分のマーケットバリューを知ること
マーケットバリューとは
本書で一番大切なことは自分の「マーケットバリュー」です。
マーケットバリューとは「市場価値」を指します。マーケットバリューで転職市場でどれくらいの価値があるのかが決まります。マーケットバリューが高ければ、その分転職活動も容易になります。
マーケットバリューは何によって決まるのか
マーケットバリューは
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性
この三つの要素の掛け算によって決まります。この要素と比例して給与の期待値も高くなります。
技術資産
技術資産とは、価値のある技術をどれほど持っているか。「専門性」と「経験」で構成されます。
例えば、以下の三つが当てはまります。
- 経理職(専門性)
- プログラミング(専門性)
- プロジェクトのリーダー(経験)
この二つの違いは「職種に紐づかない技術」です。職種に紐づくのが専門性。紐づかないものが経験です。
専門性がある人にこそ「貴重な経験」が回ってくるため、20代では専門性を高め、30代では経験を高めます。
>>経験する機会を増やしてくれる「勘違いさせる力」についてはこちら
人的資産
人的資産とは、「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる力です。つまり「人脈」です。
- どんな人でも仲良くなれる
- 困ったときに周りが助けてくれる
- 人脈で仕事を引っ張ってこれる
この力が真に発揮してくるのは40代以降です。なぜなら優秀な人ほど「あの人の頼みだったら」と「貸し借り」で動くからです。
若いうちは分かりにくい能力ですが、歳を重ねると効果が大きくなるため、ゆっくりと時間をかけて育てていく必要があります。
>>人的資本を育ててくれる「世界最高の話し方」についてはこちら
業界の生産性
業界の生産性とは、その業界にいる人間が一人当たり平均してどれほどの価値を生み出しているかによって変わります。
- コンサル業で16時間働く
- 飲食業で16時間働く
両者は同じ時間働いていますが、給料に大きな差が出るのは想像に難くないでしょう。産業別のGDPはなんと最大で20倍近く違います。この生産性は給料の高さに最も大きく影響します。(この記事を書いている私は飲食での勤務経験ありです)
例えるなら自転車で坂道を登っているか、下っているかくらいの差があります。同じ力を使っていても天と地ほど進み方が違いますよね。
なので給与の高さで関すると一番大切なのは「業界選び」ということになります。
マーケットバリューまとめ
最終的にはこの三つの要素を全て高めることが目標となりますが、最初はこのうちの2つが高ければOKです。
業界選びをしっかりしなければ、同じスキルでも給与に大きな差が出てしまうということですね。
本書を読むとこのようなことも分かります。
ここからは、もう少しだけ本書の内容を紹介いたします。
マーケットバリューの高め方
マーケットバリューを高めるためには自分を商品としてみる必要があります。なぜなら会社は給与というお金を払って社員を買っているからです。
まず、この思考法を理解する必要があります。
成長産業の見極め方
伸びるマーケットに身を置くことで給与が大きく変わります。
これを知る方法は二つ
- 複数のベンチャーが参入し、各社が伸びているサービスに注目
- 既存業界の非効率を着くロジックに着目
転職先となる会社の見極め方
会社選びには三つの基準があります。
- マーケットバリュー
- 働きやすさ
- 活躍の可能性
新卒で入るべき会社と、中途で入るべき会社の違い
- 中途を重宝できるカルチャーがあるか
- 自分の職種が会社の強みと一致しているか
仕事における「楽しみ」について
人は二つの型に分けることができます。
- being型
- to do型
そのうち多くの人はbeing型となります。
感想
「いずれ自分の仕事は消滅する」「転職は誰もが向き合わなければいけない課題」ということがリアルに実感できました。本書には「仕事が消滅するルーティーン」が紹介されており、これはどの仕事にも当てはまるからです。
自分の業務が「覚えれば他の誰でもできる」といった状態なら、赤に近い黄信号です。その場合は急いで自身のマーケットバリューを高めなければいけません。
本書は小手先の転職テクニックではなく「転職の本質」が書かれています。終身雇用がなくなった現在では、転職は誰もが経験するものとなりました。つまり本書は転職だけに留まらず仕事やキャリア形成、もっというと自分の生活や人生に直面する問題の解決方法が載っています。
将来、自分の会社から離れなければいけないことになったとき、納得のできる転職をして今の生活を守れるかは、本書に書かれた内容をどれだけ理解できたかによって大きく結果が変わると思いました。
自分で生きていける力を手に入れよう
「いつでも転職できる」「会社に頼らず自分の力で生きていける」が手に入り、いざ転職となって不安になることがないよう事前に準備することができます。そうすることで強力な「意思決定力」を手に入れることができ、現在の仕事も充実します。
上司の顔色を伺いながら仕事をするよりも、会社の外にある自分の可能性に向かって働く日々が待っています。
- 自分の会社に何かあっても生きていける力を身につけたい方
- 自分の市場価値の高め方にいまいち自信が持てていない方
上記のどちらかに当てはまる人にだけ、本書を手にとっていただければと思います。
本書の知識をどのように使い生活を充実させていくかは、読まれたあなた次第です。
漫画版も発売中